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商致節金高見積の事

2016/07/03 19:31:44

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第149節「商致節金高見積の事」をご紹介致します。

 

1.原文

商致す節、何程の金高に売買可致と、分限に応じ相定め可申事なり。仮令ば買方ならば、先づ少々計り仕掛け、右の買米、少々たりとも利分付候はば、段々買入れ、最初心掛し金高に積り、都合違ひ候はば、動かずしつかりと上げを待つべし。其節、思入の外上る時は、慾に迷ひ勝に乗じ、高値の処にて、分限不相応の金高買重る故、手違ひになる者なり。引上る時は、最初積りの金高、慥かに取留むべくと工夫すること第一なり。売り方も右同断の事。

 

 2.現代訳

相場を仕掛ける時は、自分の資金に応じて、どれ位の量まで売買するか、前もって決めて置くべきである。例えば、買い方であれば、まず少しばかり仕掛け、この買米に多少とも利がついて来れば、そこから次第に買い進む。しかし、当初に予定した買い量に達した時点で、順調であれば、それ以上動かず、しかとしてその後の上げを待つが良い。

この折、相場が当初の見込み以上に上がってくると、慾に迷い、勝ちに乗じて、高値の処で自分の資金以上の買い乗せをしてしまって、失敗するものである。上げ相場では、当初予定した買い限度を踏み越す事無く、それに達した時点でしっかりと買いの手を外す事が第一である。売り方の場合も同断である。

 

3.私の解釈

 

 

 

 

この節では、資金管理、及び売買ルールの重要性ついて説かれています。

 

相場で踏み出すに際し、自分の資金力を考え、売買玉数を予め決めて置く事は、言うまでも無い事です。見逃せ無いのが、「少々たりとも利分付候はば、段々買入れ」であり、難平買いを入れるのでは無く、利が乗った時点で乗せ玉を建て、当初見込んだ上げ(下げ)の波が来る事を待つと言う点です。難平は資金力以上の売買に繋がり兼ねない為、避けるべきで、そして、当初に予定した利食いポイントが来ると機械的に決済し、想定以上の波に乗じる事を禁じています。

 

これは、一言で言えば、売買ルールの確立と厳格な運用です。ルールを無視した売買により、例え想定した利益を大幅に上回ったとしても、そのルールを無視した誤った成功体験が、後々の売買に悪影響を及ぼしてしまう、これは行動心理学上の、間違った成功体験による間違った学習効果です。

 

ルールが相場に合致していないと考えるならば、ルールを変更した上で相場に臨むべきであり、そのルール変更は客観的なデータにより、効果を見て判断すべきものです。ルールは厳格に運用する、トレーダーはルールの運用者である、順守したいものです。