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新米は買方に可付事

2015/01/22 20:20:14

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第46節 「新米は買方に可付事」 をご紹介致します。
 

1.原文

新米出初の頃は、毎年何程位と、其年々の作に順じ、其程を考ふべし。秋米は極めて売方すべからず。少々心叶はずとも、必ず買方に付くべし。極々買気なくば休み、商すべからず。年中行付天井直段出ざる内は、決して売方無用、甚だ危し、買気の離れざる様専ら心掛くべし。売場と云ふは、上げ過ごし、天井直段乗米なしの処ならできなり。其外、持合相場の時売方致時は、決して損すること疑ひなし。少々宛ちくりちくりと下る米は、上げに向くときは恐ろしき者なり。仔細は、米弱みに見へ候故、弱気強気共売込手明多き故、上に向く時は、一統に買返すに騒ぎ立、勘定なしに急上げになるなり。

 

2.現代訳


新米相場出初めの頃は、毎年、その年々の作柄によって、相場の値頃を考えるが良い。秋米は決して売ってはならない。すこしばかり自分の気持ちにそぐわずとも、必ず買い方に付くが良い。全く買う気になれなければ、相場を休み、手を出さぬが良い。


一年中の大天井が出ないうちは、絶対売ってはならない。売りは非常に危険である。買い方針を変えない様に心掛けるが良い。


売場と言えるのは、上げ過ぎて天井値段を付けた所以外にない。その外の保ち合い相場で売る時は間違いなく損をする。すこしづつ、ジリジリと下る相場はひとたび上げに向うと恐ろしいものである。この時は相場が弱く見え、弱気も売り込むので、建玉が出来る余裕のある者が多くなり、ひとたび相場が上向くと、全てが買いに入ろうと騒然となって、途方もなく、急騰するのである。

 

3.私の解釈


当節では、前半は、新米が出た頃、即ち秋の収穫後における相場の心構えについて説かれており、あまり参考になる所は無い様に思われるかも知れませんが、後半に見るべき内容が有り、

 

「米弱みに見へ候故、弱気強気共売込手明多き故、上に向く時は、一統に買返すに騒ぎ立、勘定なしに急上げになるなり。」ここに注目したい所です。

 

ジリ下げの値動きが続いた場合、相場が弱く見え、買方は手仕舞い売りに動き、売り方は図に当ると思い尚々売り込み、結果、売り一辺倒に偏り、買い方が手明きノーポジ状態となるので、ひとたび相場が上向けば、今度は手明き状態買い方が新規に参入し、売り方の買戻しがプラスし、騒然となる程急騰すると、説かれています。

 

これは、「第42節 相場無高下十人が十人退屈の事」にも説かれており、相場に臨む人間の心理を突いていると思います。

 

私なりに咀嚼しますと、短期のトレンドを判定、従い、その逆方向に押した時、トレンドの方向に売買する、これが勝率の高い売買方法になるもの考えます。