現代訳宗久翁秘録TOP
1.現代訳宗久翁秘録とは
目次
本間宗久翁は、古今不出の天才相場師として、その名声は今なお高く評価されており、また江戸中期より第二次世界大戦前までは日本一の資産家として、「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」と謳われた、酒田本間家の財政基盤を築いた人物として知られています。
宗久翁秘録は、門外不出の書として宗久翁が残した唯一の遺稿で、晩年、同郷の善兵衛に対して語った相場論を、善兵衛が書き纏めて現代に伝わったものです。これを現代訳として世に出したのが、山口映二郎氏であり、全157節の原典と現代訳、そして宗久翁小伝にて構成されています。
当ブログでは、この全157節の内、私の主観により特に重みがあると感じた46節を抜粋し紹介する事としました。宗久翁の相場論をご理解され、今後の相場の一助となれば幸いです。
2.宗久翁秘録抜粋
1)三位の秘伝
- 米商は付き出し大切の事
- 人も我も同じ見込の節海中に飛入心持の事
- 引上大騒の節火中に飛込む心持の事
- 相場引上げ大騒ぎ考の事
- 二つ仕舞、三つ十分、四つ転じの事
- 三位の伝を以て上下鍛錬の事
- 高下の本は作の善悪の事
2)上げ相場、天井の見様
3)下げ相場の見様
4)通い相場、運び相場の見様
5)売買急ぐべからず、休むも相場
6)利確・損切り
7)慎むべき事
- 利運の節心得方の事
- 後悔に二ツある事
- 買気をはさむ売方心得違の事
- 高下に連れ米の一体を失ふ用心の事
- 一と足踏みはづす時は皆裏表になる事
- 米商心得方の事
- 心易き人にも売買進め間敷事
- 一日の相場を考へ商致不宜事
- 持合の時慰みに商仕掛間敷事
- 此書他見無用の事
8)人気の偏り、気を転じる事
9)その他
3.原典紹介
現代訳宗久翁秘録は、全157節の原典と現代訳、そして宗久翁小伝にて構成されています。当ブログにて紹介しているのは、その内の46節に過ぎません。ご紹介している46節は、私の主観から、重みがあると考えたものを抜粋したものですが、その他にも見るべき節がある事も事実です。
また、宗久翁小伝には、戦前迄の「日本一の大地主、庄内の本間家」の礎を築いた宗久翁の生い立ち、そして、宗久翁が、稀代の天才米相場師、「出羽の天狗」との異名をとるに至るまでの過程が書かれており、それだけでも一読に値するものと思います。
現代訳宗久翁秘録は絶版であり、新書の入手は困難を極めますが、残り少ない中古書がこちらから購入出来ます。原典をお読みになれば、また違った景色が見えて来るものと思いますので、是非、一読される事をお勧め致します。
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