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米商心得方の事

2016/03/20 23:07:33

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第112節「米商心得方の事」をご紹介致します。

 

1.原文

目次

二つ仕舞、三つ十分、四つ転じの事は、前に記し置くなり。

右米商いは、上ゲ下ゲより出で、心の道の多きこと糸筋の如し。此商を心掛る人は、前条の趣意、常々無油断見明らめ、考ふべし。悉く見極むる時は、自然と米の強弱を知るなり。此書を能々見明らめ売買を致す時は、仮令其年天災、不時作の豊凶、米の多少買船の多少、人気を以て、何程相場動きても、利を得ずと云ふ事なし。必ず必ず、他見無用、専ら慎むべし。

 

 2.現代訳

二度目の追い敷きで利食いにかかり、三度目ではすべて手仕舞い、四度目でドテンに転ずる。

相場は上げか下げかの二途があるだけであるが、人の心は一様ではなく、縺れた糸を解くように様々の迷いを生じて、容易にあれかこれかと決める事が出来ない。相場を心掛ける人はここのところを日頃から気を引き締め考えるが良い。この書をよく読み極める時には、おのずから相場の強弱がわかるようになる。その上で相場をするときにはたとえその年、天災や作柄の良し悪し、古米の多少、米買船の多少、人気の強弱などによってどの様に相場が動いても利を得ないと言う事は無い。

この書を他人に見せる事は、絶対にならない。かたく慎むがよい。

 

3.私の解釈

 

 この節では、相場に臨む際の心構えについて説かれています。

 

 

二つ仕舞、三つ十分、四つ転じとは、別節にもある通り、下げ相場の投資技法の一つで、相場の水準、風、人気によりその値動きが異なるので、確かに下る二つ、三つの内に売り玉の返済をし、品により上る事のある四つ目を見定め、底値を確認して途転に転ずると言う意味です。

 

その他に、相場は心の道であり、悉く見極めると相場の強弱が自ずと判るようになるとも説かれています。これは、人の心は相場の上下に絆されて一様に定まらず、認知の歪みにより見誤ってしまう事がありますが、これを排除してニュートラルな目線で相場を見る事が出来れば、どの様な材料、人気、風に左右されようともその強弱が判ると言う意味であると考えます。

 

その技法は、チャートをニュートラルな目線で分析し、思い入れを排除してトレンドを掴む事が出来れば、それは常勝を意味するものと考えます。その技法は、自分だけのもの、他人に渡す時は、その技法は意味を成さず、売ってお金に換える時と言う事でしょうか。

 

巷に蔓延る悪徳商材には気を付けたい所です。