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高下に連れ米の一体を失ふ用心の事

2015/11/29 21:27:52

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第70節「高下に連れ米の一帯を失ふ用心の事」をご紹介致します。

 

1.原文

此書を見極むると雖も、高下に連れ、米の一帯を取失うことある者なり。折々三位の伝に引合せ、全体、米の上か下かを見合せ、月々日々高下を考へ、気動く時は、毎日思入付け、年中商致す故、商仕舞の節は、詰り損出るなり。一年の内、両度ならで、丈夫に商い致す所なき者なり。三位の伝を以て考へ、此米、二三ヶ月に上るか下るかを得と考へ、売買共一ト筋に立抜くべきなり。夫共心元なきことあらば、幾月も相待ち、図に当る時を考ふべし。返す返す三位の伝を離れ、一分の了簡にて商すべからず。肝要のことなり。若し一分の了簡を以て商い致せば、損すること疑ひなし。

 

 2.現代訳

この書を見極めたとしても、相場のいちいちの動きにつれて、上げ相場の中にあるのか、下げ相場の中にあるのか大勢を見失うことがあるものである。おりにつけて三位の秘伝に照らして、大勢が上げか下げかを見て、月々日々の動きを考えたとしても、気持ちが動くときは毎日売り買いの見込みを付けて年中相場を張っていると手仕舞う時は結局損が出るのである。

 

一年のうち、二度ならず確実に相場を張るところはないものである。三位の秘伝に照らして考え、相場が二、三ヶ月の内に上がるものか下るものかしっかり考え、売り買いいづれにしても一貫して方針を貫くべきである。あるいは不安なことがあれば幾月も待って、図に当る時を考えるが良い。くれぐれも三位の秘伝を離れて自分の存念だけで相場をしてはならない。これは肝要なことである。もし、自分の存念で相場を張れば、損をすることは間違いない。

 

 

 

3.私の解釈

この節では、前節「三位の伝を以て上下鍛錬の事」、前々節「立羽もなく高下に連れ候事」に引き続き、方針を定めての売買の重要性、そしてブレ無い強い心を持つ事の重要性について説かれています。

 

その方針を定める際の見極め方法が「三位の秘伝」であり、これは前節にも書きましたが、相場の値動きをしっか りと観察し、三位、即ち「相場の水準、人気、風」を考慮して、天井、底を確認し、トレンドの方向に売買すると言う事であると思います。そして、その値動きの観察には、その時々の相場に携わる投資家の心の軌跡であり全てを語ってくれる、チャートに向き合うのが一番であると考えます。

 

また、この節では、方針をしっかりと持っていても値動きに絆され気持ちが動いてしまう事が有り、方針を固く順守する、「ブレ無い強い心を持つ事」が投資家の資質として重要である事が、「返す返す三位の伝を離れ、一分の了簡にて商すべからず」に込められていると思います。私の尊敬する三四郎先生(NK225先物王)も、「投資家に求めらる最重要資質は、以外にもブレ無い強い心である」とおっしゃっておられます。チャートの分析と併せ、ブレ無い心を磨いて行きたいものです。