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不作年駆引きの事

2014/07/10 19:12:14

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

こんばんは、J.BOYです。
本日は、「現代訳 宗久翁秘録」第9節、「不作年駆引きの事」をご紹介致します。

この節は、米の不作年、即ち米相場の大天井を付ける様子について説かれています。尚、原文は非常に長いので、抜粋してご紹介致します。

 

1.原文

(前略)
冬中天井直段出る時は、当地並びに近国上方共、天災又は自然の不作にて、大阪当地共、此上何程上げるも知れぬ様になり、五六ケ月も段々引上げ、十日、十二日、十三日、人々騒ぎ立て、びりびりと云ふが如き時、是れ年中行付直段なり。又、此時年中の売場なり、危く思ひ、油断すべからず。火中へ飛入る思切りにて売るべし、大利疑ひなし。

 

(中略)
九州辺、上方、当地共、四分半不作年は別けて人気立、旅人は勿論、人々思入買、又右不作年には、内米不足故、郷方札納夫食当て等、不要の米も買取候故、大阪引合せ乗米なし迄、勘定なしに買上る者なり。此時気を付くべし。然れば百俵上げに限らず、百二三十俵より百八十俵位迄上ぐる者なり。此時見計肝要なり。此天井出たる米何程の思入ありとも持つべからず。若し誤りて強気を張る時は、決定身上釣替の損なり。是極々陽に登詰め、百人が百人、此時何程上るかもしれぬと、人気揃ひハヤリ立、強気の人々猶々募る所なり。堅く慎むべし。

(後略)

 

2.現代訳

冬の間中、天井値段が出ている時は、当地庄内、近隣国、上方何れも天災または自然の不作で、大阪、当地も相場がどれだけ上がるか知れない様になり、五、六月も次第高に上げ、十日、十二日、十三日と人々が騒ぎ立て、騒然となっている時が一年中の天井である。またこの時が年中の売り時である。強気相場を危いと考え、気を引き締めて行かねばならない。火中へ飛び入る思い切りにて売りべきである。大利は間違いない。
(中略)

 

九州、上方、当地が四分半の不作年は、取り分け人気がが立って、他所からの客筋は勿論、諸人が思惑で買い進み、内米が不足し、租税米や貧農への飯米としての貸付米などもあって、不要の米も買取に動き出すので、採算無視で買い上がって来るものである。この時気が付くべきである。百俵上げにとどまらず、百二十、百三十から百八十俵まで上げ続けるもので、この見計らい見切りが肝要である。

この大天井が出た米は、どれ程の思惑が有ろうとも持ってはいけない。もし、間違って強気を張った場合は、間違いなく身代を潰す様な大損をする。これはとてつもない上げ相場が登り詰めると、百人中百人がどれだけ上がるかもしれないと考え、人気が揃い、強気の人々がますます募る所であるが、買いは固く慎むべきである。

 

3.私の解釈

この節では、不作年の人気が募る時、即ち天井を付ける時の事を書かれており、相場に臨む人々の思いが、一方向へ片寄り出し、人気がますます高く楽観一色になった時が当面の高値であり、売り方に付くべしと説かれています。

現代に当てはめると、「人々騒ぎ立て」は、マスコミが高値更新と囃子立てたり、株で儲けた芸能人等々がテレビで出てくる様な時が、それに相当すると思います。河合俊一氏の様な方が、株で儲けたとテレビに出てくる時は、気を付けるべきかと思います。

 

中略以降ですが、人気が極まった時は、ますます上がると思いたくなる時ですが、同時に、売り方の投げ、新規の買いが潰えた時であり、後は自然と下げるだけとなるのは自明の理です。

最近では、2013年5月23日の大暴落がこれに当ると思います。
この高値を間違って買った時は、所謂、樹海行となってしまうのは説明するまでも無いと思いますが、あの日、サーキットブレーカー3連発で、追証地獄に陥った方も居られたと思いますので、明日は我が身、そうならない様に気を引き締めて行きたい所です。