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相場引上げ大騒ぎ考の事

2014/07/17 19:09:48

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、「現代訳 宗久翁秘録」より抜粋、5回目です。
今回は、第10節 相場引上げ大騒ぎ考の事 をご紹介致します。

 

1.原文

 

新商い初てより段々引上げ、大騒出で天井直段に成り、其日二俵三分迄出で行当り、其日の内に狂ひ、三俵二三分迄返す。此日の二俵三分に、心を付け考ふべし。此米又一両日中の内に、二俵半六部迄通ふ者なれども、二俵三分迄引立勢なく、クラリ三俵台へ返す者也。此処にて売込也。急に二俵三分迄引上げ候米故、三四俵の内は、人気張詰め居る故、四俵台へ下る時は、又又三俵へ買い戻すものなれども、自然と買手なく、五六俵台迄下る也。此時乗米を考え、買入るる者也。極めて三俵台へ上る者也、是大通ひ也。次の月二俵三分を打越し、一二分共上らば、油断なく買入るべき也。又次の月、三俵位二俵六七分にて上留まり候はば、思入に売込むべし。是三位の秘伝なり。

 

 

2.現代訳

 

米相場が当初から段々上げ続け、騒然となった時に天井を付けるものであるが、その日は二俵三分くらいまでの高値にて天井に行き当たり、その日の内に三俵二三分まで反落する。この日の二俵三分を心に留め、考えるべきである。

 

この米は更に一両日中に二俵五六分まで戻すものであるが、先の天井の二俵三分まで上る勢いは無く、クラリと三俵台に下るものである。この時に売り込むべきである。急に二俵三分まで上げた相場であるから、三四俵の内は人気も張り詰めていているので、四俵台まで下がっても、またまた三俵台まで買い戻すものであるが、その後は自然と買い手が無く、五六俵台まで下がる。この時買いに入るが良い。間違いなく三俵台に上がる。これが大通い相場である。

 

次の月、二俵三分を超えて、一二分でも上がれば、気を引き締め買い入るが良い。また次の月、三俵から二俵六七分にて上げ止まった時は、思惑で売り込むが良い。これが三位の秘伝である。

 

3.私の解釈

 

この節では、天井の見様、天井を付けた後の値動きについて説かれています。
 

ポイントは、「二俵三分迄引立勢なく、クラリ三俵台へ返す者也。」、これに凝縮されている様に思います。 
 

天井を付けた場合、そこで目線を転換出来ればいいのですが、それまでの上げ相場が脳裏に刷り込まれており、また少しでも上を窺う様な値動きを見ると、まだまだ上がると思い、強気を継続してしまいがちです。

 

しかし、天井値段を上抜ける事が出来ない場合、そこが上げ止まりで、あとは自然に下がるだけであり、所謂高値掴みになってしまいます。

 

天底の定義は、「天井抜かずに底割らず」 単純では有りますが、これに尽きるのではないでしょうか。日足は勿論の事ですが、天底付近では、日中足もまた重要であると思います。