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立羽もなく高下に連れ候事

2015/11/15 14:56:33

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第68節「立羽もなく高下に連れ候事」をご紹介致します。

 

1.原文

米の高下に連れ、立羽もなく、上ぐべし下ぐべしと商内致し、五、六日も過ぎ、米の動きに連れ、弱気になり、其節売過致し、十四五日も過ぎ、又又買気になり、其度毎に損出るなり。是は商内を急ぎ、是非共取る心にて致す故違ふなり。慾を離れ、天井底を見定め、上ならば上、下ならば下と立羽を極め、三位の伝に引合せ、売なり買なり立抜くべし。

 

 2.現代訳

相場の高下に連れて、無方針に上るだろう、下るだろうと思い、相場を張るのは、今まで強気でいたものが、五、六日もたつと相場の動き次第で弱気になってしまい、そうなると売り越してしまう。しかし、十四、五日もたって、相場がが頑張って来るとまたまた買い気に成る。こうしたことをしていると、その度事に損が出る。これは相場を急いで、ぜひとも取ろうする気でするために失敗するのである。

 

欲心を離れて天底を見定めて、上げなら上げ、下げなら下げと方針をしっかり立て、三位の秘伝に照らして、これを貫き通すが良い。

 

 

3.私の解釈

この節では、方針を定めての売買の重要性について説かれています。相場を追い掛けての売買を続けると、上手くトレンドに飛び乗れた場合には利を得る事が出来ますが、何れ値動きに翻弄され損をする事になると言う内容です。

 

前節「買気をはさむ売方心得違の事」にも書きましたが、短期の上げ波動の途中で、その押し目として目先の下げ波動が出る事があり、またその中でも更に小さな波動が存在します。その小さな波動に乗ったとしても、その上の大きな波動に直ぐに掬われ、損失を被る事になり、更に突っ張ると損失が拡大しかねません。基本的には、短期の波動の方向に建玉すべきで、その短期の波動とは逆方向に押した時、それは買い場(売り場)であると捉えるべきと考えます。

 

宗久翁は、上記「立羽を極めて」に加え、「三位の伝に引合せ」と説いていますが、この三位の伝とは、立羽を極めた後の建玉の技法の事で、「二つ仕廻い、三つ十分、四つ転じ」と有る様に、三つ十分から四つ転じを見極める、即ち行き過ぎ、天底を確認しての踏み出しの事を説いているものと思います。これを知るには、チャートに向き合うのが一番であると考えます。