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買気をはさむ売方心得違の事

2015/11/08 16:59:40

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第66節「買気をはさむ売方心得違の事」をご紹介致します。

 

1.原文

買気をはさみ売ること、大に心得違ひなり。仮令ば、此米上るべけれども、晦日頃迄には当分強みあるまじく、此処にて少々売付置き、利息落とも、朔日二日頃買過すべしと、売ることあり、甚だ心得違ひなり。決して、下ぐべく思ふ頃より上る者なり。是非下ぐべしと売付る時は、景気になれば尚尚其処にて買兼、一日二日と過る内、買遅れて、買入月に却って売方になるなり。思入の通、月末には少々引下と雖も、此米今少々引下ぐべき間、来月になり利息落候ても替はることある間敷と、米弱みに見へ候へば、猶々買い遅るるなり。来月上と見定むる時は、唯買場を待つべし。

 

 2.現代訳

大勢的には強気でありながら、小掬で売るのは大きな心得違いである。たとえば、この米は大勢的には上げ相場であろうが、晦日頃までには当分上場がなく、ここで少しばかり売り込んでおく。そうしておいて、その月末に手仕舞いせずに翌月に持ち越し、買い方から利息を取ってから、一日、二日頃に途転買い越しにもってゆこうという考えで売り込むことがある。

 

これははなはだ心得違いである。こうした時は決まって、下げるはずと思う頃に上るものである。まず下げるだろうと売り込む時は、人気が強くなれば、またそこで買いに入り、一日、二日とたつうちに買遅れてしまって、買入れべき時にかえって売り方についてしまうものである。

 

思惑通りに行って、月末には少しばかり下げる。そうなってみると、この米が今少し下げる間には月が替わって利息(買い方が売り方に支払う)落ちする事になるが、それからでも動きに変化はあるまいと弱く見えるので、なお買い遅れるのである。来月は上げ相場に入ると見定めた時はただ買い場を待つがよい。

 

 

3.私の解釈

この節では、トレンドの方向に売買する事の重要性について説かれています。短期の波動が上向き、上昇波動の途中、配当落ち等の理由で目先の下げとなった時、その小さな波動を取ろうとして売りを入れたくなるものであるが、それは大きな間違いであると説かれています。

 

短期の上昇波動にある時、確かに目先の小さな下げ波動を描く事があり、その波動に惑わされ売りを入れたくなる時がありますが、それは短期の上げ波動の中の下げであり、仮に目先の売りで利が乗ったとしても直ぐに反転となり、却って含み損となる危険性があります。この場面は、前節にもあります様に、寧ろ気を転じて買いを入れる場面であると考えるべきです。

 

基本的には、短期の波動の方向に建玉すべきで、その短期の波動とは逆方向に押した時、それは買い場(売り場)であると捉えるべきと考えます。それには、やはりチャートを分析し、短期の波動、目先の波動を掴む事が重要であると思います。